ユーザーの自由を奪う「ロックイン効果」


前回の記事の続きだ。

クリス・ズコウスキー氏の解説では、SNSを情報発信の拠点とした場合、SNSのブームが去り、別のSNSへと人々の関心が移り替わった時に、忘れられた過去のSNSに廃墟となった城だけが残るというものだ。

また、Tumblrの例を挙げ、サービスが身売りされ、運営者が変わることでルールが変更されることの弊害についても指摘している。

実際、Twitterは、大富豪イーロン・マスクに買い取られ「X」へと社名変更した。依然にも増して、罵詈雑言とアテンションエコノミーが蔓延する地獄のような状況になっている。

それでも、多くのユーザーがXを使い続けている理由は「皆がいるから」である。つまり、そこにコミュニティが形成されている限り、身動きが取れないのだ。全員が一斉にBlueskyに乗り換えればよいが、それは現実的ではない。コミュニティは元々、個の集まりに過ぎないから。

「皆がいるから」という理由でそこに残るユーザーは、動かない「皆」の一部となる。だから、他のユーザーも同じ理由で動くことが出来ない。

これは、多くのフォロワーを獲得したインフルエンサーが、他のSNSに拠点を移せないのと同じ理由だ。移住することを拒むフォロワーが足枷となり、インフルエンサーは動くことができない。そして、個々のフォロワーは、横の繋がりを捨てることが出来ず、そこを動けない。

これは現実世界でも同じだ。ある土地に住み続ければ、仕事や環境に順応していくが、年月が過ぎるほどそれは強固なものとなり、簡単に移住することが出来なくなる。

SNSではユーザー間の関係性が鎖となって、個の自由を奪うことになる。

ユーザー心理として、他の場所に移住することに抵抗するのは、その場所が見知らぬ土地であり、柵で囲まれていることから、警戒する。

とは言え、利用しているSNSは、柵が無く、皆が自由に出入りできる公共の公園・・というわけでもない。実際、ユーザーたちは鎖で繋がれ、自由を奪われている。

この状況を「プラットフォームロックイン」と呼ぶらしい。これが、Xから人々が他のSNSに移住できない理由でもある。